日本人でホンジュラスといっても、どこにある国なのかよくわからない人も多いだろう。ほとんどの日本人はホンジュラスの人々とかかわることはない。
私はほんの一時期、アメリカやメキシコ、中米を旅したことがあって、ホンジュラスにも入り、ホンジュラスの女性ともかかわったことがある。ホンジュラスは山に囲まれた小さな国であり、産業はほとんどないにも等しい。
私がいた頃はそうでもなかったが、今ではギャングが横行して暴力と殺人が日常茶飯事の、中米でも最悪の治安崩壊国家と化してしまった。(ブラックアジア:行ったら殺される。手の付けられない無法地帯、ホンジュラス)
最近は、ホンジュラス最悪のギャング団であるマラスの取り締まりの強化で犯罪件数は減少しているのだが、それでも「世界でもっとも暴力的な国」であることには間違いなく、そこに住む女性たちも厳しい状況に置かれている。
今、アメリカの大統領選挙では国境問題が焦点となっているのだが、中南米からアメリカという「新天地」を目指している難民たちの中にはホンジュラスの人々も多い。女性もかなり含まれている。
ギャングに怯えて暮らすよりも、同じ貧困でも安全な場所で暮らしたいという強い動機がホンジュラスの女性にはある。命を賭けて国を捨てたいほど、ホンジュラスという国には救いがないということなのだ。
この国では国民の約60%が貧困状態にあり、その中でも女性は特に厳しい状況に直面している。
この状況はただ単に経済的な問題ではなく、教育機会の喪失、性暴力、家庭内暴力、社会的差別といった複合的な要因が絡み合い、女性たちの人生を深く傷つけている。ホンジュラスでは、貧困家庭の多くで10代の少女が妊娠し、早期に教育の機会を失ってしまう。
現実として、ホンジュラスの15~29歳の若者のうち半数以上が無職か不安定な雇用状態にあり、特に女性が安定した職業につくのは困難である。
コメントを書く