
あまり知られていないが、プエルトリコはアメリカ領である。もともとはスペイン領だったのだが、その後はアメリカの領土として統治され、今は自治区として落ち着いている。
青い海、白い砂浜、スペイン風の色鮮やかな旧市街、夜通し響くサルサのリズムがプエルトリコにはある。パスポートも必要ないので、本土のアメリカ人も旅行でくることも多く、年間500万人以上の旅行者が訪れる。
そのプエルトリコだが、2025年現在の貧困率は43%である。これはアメリカ合衆国本土のどの州よりもはるかに高い。ハリケーン・マリアが2017年に直撃して以来、復興は遅々として進まない。現時点でも、島内の約3万世帯が恒常的に停電したままだ。
失業率は公式発表で11.8%だが、非公式労働を含めると実態は15~18%に達する。アメリカ人はエキゾチックな南国を満喫しているが、島民は生きるのに必死だ。
首都サンフアンの観光中心地コンダードやイスラ・ベルデから車で10分も離れれば、風景は一変するという。通りの街灯は切れたままで、コンクリートの建物は崩れかけ、路地にはゴミが散乱している。
そういったわかりやすい貧困の世界が姿をあらわす。そして、そこにストリート売春をする数十人の女性が夜になると立ち並ぶのだ。
警察の公式統計によると、2024年の売春関連摘発件数は1,892件で、前年比28%増である。だが、地元住民は「摘発されるのは氷山の一角」と口をそろえる。パトカーが近づくと女性たちは一時的に散り、通過するとまた戻ってくる。
観光客向けの高級エスコート・サービスと地元向けの低価格サービスの二極化も目立つ。5つ星ホテルに呼び出されるケースでは、1回150~300ドルが相場である。一方、路地裏やモーテルでは20~40ドルで取引が成立する。
こうした光景は、サントゥルセ、リオ・ピエドラス、ポンセ、カロリーナなど、島内の主要都市すべてで見られる。アメリカ人のハイエナにとって、プエルトリコは「売春島」でもあったのだ。



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