カンボジア編
シアヌークヴィルのプントッマイには「BIBA(ビバ)」というディスコがある。ディスコと呼ぶにはいささか気恥ずかしいこぢんまりとしたところで、入口の手前はテーブル、奥がステージになっている。
空いているテーブルに案内されて席に着くと、一斉にビールガールが自分の所属する会社のビールを飲んでもらおうと売り込み攻勢してくる。
適当に選んでビールを飲んでいると、音楽が変わってみんな輪になって踊るカンボジア独特のものに変わった。
音楽も民謡のようなものになり、踊りも日本の盆踊りを思わせるようなものである。クメール人はみんなこれが好きだと見えて、今まで傍観していた人たちまでステージに立って踊り出す。
のんびりとした音楽やのんびりとした踊りは、夜総会でもお約束のように見かける。しかし先進国のディスコに慣れていると、その光景は見ているだけでも気恥ずかしくなるのだった。ディスコに行ったら盆踊りを見せられたような気分と言えばいいのだろうか……。
欧米人もまた同じような気分になるらしく、クメール・ダンスが始まったとたんに男たちが絶句した。結局、ふたり組の欧米人は女性をペイバーすることもなく、逃げるようにして帰ってしまった。
ステージには20人ほどの女性たちが踊っている。
どの娘も売春を拒まない。こちらをちらちら見るのだが、声をかけてくる娘はひとりもいない。警戒しているというよりも……
(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア カンボジア編』にて、全文をお読み下さい)
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