カンボジア編
彼女と出会ったのはスワイパーと呼ばれる売春村だった。黒一色の服に身を包んだ彼女を一目で気に入った。
まだほんの小娘だというのに、彼女はひどく陰のある瞳をしていた。黒目がちの瞳がじっと相手を見つめる。そして、ほんのりとほほえむその姿は他の娘たちの力任せの誘惑とはひと味違った魅力があった。
しかし彼女はほほえんでいたが、何か哀しみを抑えているように思えた。実際、彼女は哀しいことがあるようで、ずっとそれを胸に秘めながら男たちと接していたようだ。
抑えた感情、ささやくように話す力ない言葉、伏し目がちの目は、最後まで晴れることはなく、まるで上の空で生きているかのように見えた。そのくせ血を吸ったような真っ赤な口紅は生々しかった。その陰(ダークサイド)に惹かれた。
彼女のそばに行くと、彼女は自然に腕を組んだ。そんな彼女を見つめながら売春宿の真向かいの茶屋に足を運び、安物のプラスチックでできた原色のイスに腰かけた。
すると娘はかしずくように目の前に座り、「いつ来たの?」「どこから来たの?」「名前は何?」と英語で尋ねてくる。それに答えながら、店に飲み物を頼む。しばらくすると飲み物が運ばれて来た。
それを飲もうとすると、彼女はそれを制して……
(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア カンボジア編』にて、全文をお読み下さい)

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