決闘場(スタディウム)。ハイセンスな売春パブと怒る女性

インドネシア首都ジャカルタは、高層ビルが林立する大都市にふさわしく眠ることはない。

マンガ・ブザール通りを西に歩いて大通りに出ると、そこはハヤム・ウルッ通りである。夜の11時頃、マンガ・ブザールからハヤム・ウルッ通りに出て南に向かって歩いていた。

昔はこの辺に売春女性が立ち並んで客を取っていたと聞いているが、今は彼女たちの姿は見かけることもなかった。

時期が悪かったのか、時間が悪かったのか、それとも最初からこんなところにいなかったのかは分からない。肩をすくめてさらに南下して行った。

街のあちこちに目をやりながらゆっくりと歩く。そんな外国人はかなり目立つらしく、いろんな男が入れ替わり立ち替わりやってくる。

ある男は暇を持てあましたタクシーの運転手だった。車に乗れという男の催促を断った。次にやって来たのは詐欺師かチンピラの外見をした男で、彼はどこへ行くのか知りたがった。

「スタディウム」だと答える。

「スタディウムなら、俺は知っている」と男は言った。しかし、この男に案内してもらうまでもなかった。

スタディウムくらいなら誰でも知っている。夕方、コタへ向かう途中にタクシーの中から確認していた。ほとんど相手にしないでいると、男は捨て台詞を吐いて遠ざかって行った。

次にやって来たのは煙草売りの男たちふたりだった。ふたりとも20代前半のような若さで、くたびれた野球帽をかぶっていた。

この男たちは煙草を薦めて来たがそれも断った。女が手持ちの煙草を薦めてくれば吸うが自分からは煙草を吸わない。

すると男たちは相手が不良外国人であるのを見越して「マリファナもある」と言ってきた。「本当にあるのか?」と言うと、男たちは脈ありと思ったらしく、ふたりともこっちに来いと建物の奥に誘う……

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきた売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア』。本編に収録できなかった「はぐれコンテンツ」を掲載。電子書籍にて全文をお読み下さい)

ブラックアジア外伝1
『ブラックアジア外伝1 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』

コメント

  1. 匿名 より:

    こちらも初めて拝読しました。
    初めてジャカルタを訪れたのは2014年9月でしたが、スタジアムは既に閉鎖されていました。
    トラベルやクラシックが未だ健在なのに、スタジアムが閉鎖された理由が気になります。賄賂の支払いが滞ったのでしょうか。因みにスタジアム北側に密集しているエロマッサージ屋も健在です。

    当時(2012年?)は部屋代込みで20万ルピアだったのですね。
    今は箱モノで遊ぶと普通35万はするので、物価上昇が伺えます。

    ガウ

  2. 匿名 より:

    2012年ごろ、クラシックやトラフェル(インドネシア語ではトラベルがトラフェルと発音されます)では言い値は30万ルピア(部屋代込み)でした。

    鈴木さんが書かれているのはさらに昔の話です。インドネシア編が2001~2003年ごろとされていますから、そのくらいの時期かもしれません。

    ただ2012年と5年後の今で5万ルピア程度の上昇だということは、むしろ上昇があまり急でない、ということでもありますね。(ky)

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