◆理不尽に金を失う夜の街で、スリや強盗よりも危険なのは?

◆理不尽に金を失う夜の街で、スリや強盗よりも危険なのは?

バンコクのソイ・カウボーイに、バカラ( Baccara )という店がある。あまり好きではないが、たまに趣向を変えようと数年ぶりに行ってみた。

昔と変わらず、見上げると天井がガラス張りになっており、そこにスカートをはいたダンサーが踊っている。男は天井を見上げながら、スカートの奥を見てビールを煽る。そういう仕組みになっている。

相変わらず日本人の姿も多く、この店は何も変わっていないことを知る。男の欲情をくすぐる店内の造りにファンも多いようだ。

店内に入ったときは、商用でバンコクに来たというようなきちんとした身なりのインド人がひとりいて、彼は無言で長時間、じっとガラス張りの天井を凝視して身動きしなかった。

二階のガラス張りのダンスホールで踊っている女性のうちの何人かは下着をつけていないように見えた。

スカートの奥に見える太腿の奥はエロチックだが、さすがにそれをひたすら凝視しているのは、そのインド人だけだった。

「彼はとってもとってもプッシーが好きみたいね」

ひとりのウエイトレスがそんな皮肉を言いながらインド人の男を盗み見ている。苦笑してうなずくしかなかった。

「君は上で踊らないのかい?」
「ノー。わたしはダメ。シャイだから!」

そのような他愛のない話をずっとしていると……

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア タイ編』にて、全文をお読み下さい)

ブラックアジア【タイ編】表紙
『ブラックアジア・タイ編 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』連載当時、多くのハイエナたちに熱狂的支持されたブラックアジアの原点。

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