◆激震にさらされていく京都の花柳界と、コンプライアンス強化の中の売春地帯

◆激震にさらされていく京都の花柳界と、コンプライアンス強化の中の売春地帯

最近、パワハラやセクハラが社会的に糾弾されるようになっている。今までは上司に怒鳴られたり、時には殴られたりして「教わる」のが当たり前だと思っている人がいたら、それこそ社会的に吊し上げられてキャンセル(抹殺)されてしまう。

それも、パワハラをした本人が吊し上げられるだけでなく、そういう人間を所属させている会社そのものも吊し上げられる。また、これまで許されていた下品な表現もまた厳しく締め上げられるようになってきている。

ある飲食店チェーンの取締役が「若い女性を集客する施策」というのを「生娘をシャブ漬け戦略」と下品に言って叩かれた挙げ句に、この取締役はクビを飛ばされ、さらには会社もまた社会に対して謝罪せざるを得ない状況に陥ったのは興味深い現象だった。

「若い女性を牛丼の虜《とりこ》にする戦略」を「生娘をシャブ漬け戦略」というのは、いかにも下品で眉をひそめてしまうのは間違いないのだが、男同士の会話の中ではこういう下品な表現はしばしば出てくる。

たとえば、歓楽街に長くいると「生娘をシャブ漬け」どころか、もっとひどい表現で女性の表現や女性との付き合いを話す人もまったく珍しくない。男同士の会話の中では、今でも女性が聞いたら卒倒しそうな表現が飛び交っている。

そのため、「男だけの世界」が長い人は「生娘をシャブ漬け」くらいでは失笑するくらいで終わるし、「そんなことでいちいち目くじら立ててたら世の中やっていけないぞ」と思ったりする。

しかし、いまや「世の中やっていけない」のは、下品で眉をひそめてしまう表現をする人の方である。すでに現代社会はコンプライアンス(法令遵守)が守られない会社や人間は生きていけなくなりつつある。

態度から行動から言葉遣いから、現代の常識にそぐわないとされるものは、すべて糾弾と排除の対象となっている。コンプライアンス的に違反している業界は叩き壊され、企業や人は排除されるのは「当たり前」なのである。

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