タイの歓楽地パタヤでは、ここ数日LGBT関連のイベントが相次いで開催されて、世界的に注目されていた。
ひとつは「パタヤ・プライド・パレード2022」の開催、そしてもうひとつは世界中のトランスジェンダーが美を競うレディーボーイ版のミスコンテスト「ミス・インターナショナル・クイーン2022」の開催である。
タイはアジアを代表するシン・シティ(堕落の街)として知られている国なのだが、トランスジェンダーにも非常に優しい国であって多くの同性愛者がタイを訪れて、同じ趣向の仲間を見つけて楽しくやっている。
現地の人々も外国人に寛容であると同時にトランスジェンダーたちにも非常に寛容であり、だからこそ「ミス・インターナショナル・クイーン2022」「ティファニー」などのレディーボーイ版ミス・コンテストが大々的に行われているのである。
今回の「ミス・インターナショナル・クイーン2022」ではフィリピンのトランスジェンダーであるフスキア・アン・ラヴェナというトランスジェンダーが優勝している。
フィリピンのレディーボーイはタイのレディーボーイと違って容姿が落ちる(整形や化粧の技量が落ちる)人が多いというのが定説だった。ブラックアジアにも過去にそのような話を書いたこともある。(ブラックアジア:気をつけた方がいい。フィリピンで絶対彼らに手を出すな)
しかし、貧困層もYouTubeなどで化粧の技術を学んでどんどん向上していることもあって、フィリピンのレディーボーイたちの質も上がっているのかもしれない。そういう時代の変化を窺わせるイベントでもあった。
もちろん、タイでも異質な人々に対する差別はある。しかし、寛容さが勝る点では他のイスラム圏のアジア国家とはまるっきり違う。タイではレディーボーイたちに寛容であると同時にBL(ボーイズラブ)にも寛容にも見える。
実はタイではBL(ボーイズラブ)の映画も作られて大ヒットするという現象もあった。そういう意味でタイという国の社会的な寛容さは私たちの数段上をいく。