◆チカがずっといてくれるのなら、この島で暮らせると思った

◆チカがずっといてくれるのなら、この島で暮らせると思った

インドネシア・リアウ諸島のある島で、港町からずっと外れた山奥の村に沈没したとき、見えて来たのは激しい荒淫の嵐が通り過ぎて、今は静かに生きるだけの年を経た女性だった。

彼女たちは、外国人に対しても温かく包み込んでくれるように接してくれる。

彼女の暮らすリズムがただれた時間をつぶす自分のリズムとよく合っているので、一緒にいると本当に落ち着く。

彼女は軽く沐浴(マンディ)をして髪が濡れたまま売春村の入口のテラスに来て座る。山の空気は、夕方になるとぐっと冷えてきて心地良い。テラスは涼むに良い場所だった。

彼女たちは、そばにいる誰かと無駄話をしたり、無邪気に遊んでいる子供の世話をしたり、やって来るオジェッの運転手と情報交換したり、猫とたわむれたりする。

いつも相手をしてくれた女性がいた。名前をチカと言った。

外国人の男が来ると、チカの格好の暇つぶしの対象になる。若い女性に精を奪われて、心なしかよろよろしている男を売春宿の入口に座らせて、チカは華人から教えてもらった英語で会話する。

ほとんどの女性は英語はできないか、できてもカタコトだ。しかし、チカは驚くほど英語を巧みに操った。

聞けばずっとシンガポールで働いていたということで、シンガポールの地名や通りの名前を次々に口にする。

「シンガポールじゃゲイランしか知らないよ」

そう言うと、彼女は笑いながら「あそこは悪い女が多いから良くないわよ」と諭してくれる。ゲイランのことをよく知っている口振りだった。

「マネー、マネー、マネー。彼女たちは金のことしか考えていない。でも、ここは違う。良い女の子ばかりだわ。ほら、あの子はどう? この子はどう?」

もう30歳も後半を過ぎたように見えるチカは、いろんな女性をあてがって、男が返事に窮したり、若い女性が困った顔をしたりするのを見て……

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア インドネシア編』にて、全文をお読み下さい)

ブラックアジア・インドネシア編
『ブラックアジア・インドネシア編 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』

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