インドネシア・リアウ諸島のある島で、港町からずっと外れた山奥の村に沈没したとき、見えて来たのは激しい荒淫の嵐が通り過ぎて、今は静かに生きるだけの年を経た女性だった。
彼女たちは、外国人に対しても温かく包み込んでくれるように接してくれる。
彼女の暮らすリズムがただれた時間をつぶす自分のリズムとよく合っているので、一緒にいると本当に落ち着く。
彼女は軽く沐浴(マンディ)をして髪が濡れたまま売春村の入口のテラスに来て座る。山の空気は、夕方になるとぐっと冷えてきて心地良い。テラスは涼むに良い場所だった。
彼女たちは、そばにいる誰かと無駄話をしたり、無邪気に遊んでいる子供の世話をしたり、やって来るオジェッの運転手と情報交換したり、猫とたわむれたりする。
いつも相手をしてくれた女性がいた。名前をチカと言った。
外国人の男が来ると、チカの格好の暇つぶしの対象になる。若い女性に精を奪われて、心なしかよろよろしている男を売春宿の入口に座らせて、チカは華人から教えてもらった英語で会話する。
ほとんどの女性は英語はできないか、できてもカタコトだ。しかし、チカは驚くほど英語を巧みに操った。
聞けばずっとシンガポールで働いていたということで、シンガポールの地名や通りの名前を次々に口にする。
「シンガポールじゃゲイランしか知らないよ」
そう言うと、彼女は笑いながら「あそこは悪い女が多いから良くないわよ」と諭してくれる。ゲイランのことをよく知っている口振りだった。
「マネー、マネー、マネー。彼女たちは金のことしか考えていない。でも、ここは違う。良い女の子ばかりだわ。ほら、あの子はどう? この子はどう?」
もう30歳も後半を過ぎたように見えるチカは、いろんな女性をあてがって、男が返事に窮したり、若い女性が困った顔をしたりするのを見て……
(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア インドネシア編』にて、全文をお読み下さい)

私も、表社会でどうすればいいのか不安になる。すごく すごく不安、でも裏社会は女にとって怖い所、カモ、商品、体目当て 暴力と脅しと飴。挙句の人間不信。知ってる。怖いでも、表社会ともなかなかなじめない。居場所は、子供といるこのお家。でも一生懸命普通の最高のお母さんになりたいと思うけど、難しいね子育てって、でも今の最良の居場所。 アングラな自分には、蓋をして。
久しぶりにブラックアジア「第二部」を更新しました。後半部分はかなり削除して、チカの話だけでまとめました。インドネシアの女性とは気質が合うと書きましたが、今でもその思いは変わらないかもしれません。
あと、舞台になった村はすでに壊滅しておりますので、今行っても誰もいません。旅人の方、お気をつけ下さい。
【鈴木傾城】
私もお水経験者です。もう卒業しましたけれど。だから、すっごく分かる。目つきで感じますよね。「あんた、しょせんオミズでしょ」みたいな。たのしいけど、むなしい。ここにいたら私、終わっちゃうなと思って卒業しました。もうトシだから戻れませんけどね。人生いろいろあります、はい。↑の方、応援します。
チカさん、今頃どこでどうしているのでしょうね。村も跡形もなく消滅して。
なんだか夢の中の出来事のようです。あまりにも刹那すぎて。
インドの話とインドネシアの話は、まるで天国と地獄みたいな感じですねえ。インドネシアの女性はよく知らないのですが、優しそうな感じがして好きになってきました。
私は完璧に表社会の女ですね。
水商売、風俗などの女性は軽蔑してましたね。ただ・・・
根性あるな、たくましいな と自分にはない強さには
敵ながらあっぱれ、みたいな気持ちはありました。
ブラックアジアで売春婦のことを知ると、
軽蔑だけでは語れない複雑な気持ちです。
「私が同じ境遇だったら、売春してまで生きていられるかしら?
そんな強さ、私にあるかしら?」と自問します。
少女兵士とか、石打の刑とか
女性を取り巻く不幸が多くて、
言葉になりません。
tubj2u291さん
コメント、ありがとうございます。
実は、そうやって立ち止まって、夜の女性たちのことを振り返ってくれる人が1人でも増えてくれるようにと、いつも考えています。だから、このコメントには本当に心から感謝します。今後、インド編で、本当に押しつぶされたような女性を紹介することもあると思います。ぜひお付き合い下さい。
【鈴木傾城】