私が最後にタイにいたのは2019年なのだが、この頃のレートは1万円が2900〜3000バーツだった。
かつては1万円が4000バーツの時代もあったので、それを考えると3000バーツあたりは、「ずいぶんタイのバーツの価値も上がった。いや、円の価値が下がったのか……」と複雑な心境になったのだったが、今はもっとひどいことになってしまっている。
円は今年2022年に入ってから、あらゆる通貨で価値を落としており、タイ・バーツで見ても、すでに1万円が2700バーツを割ってしまっているのである。
1 JPY = 0.26970 THB
これが2022年4月9日のレートである。驚くしかない。かつて1万円で4000バーツが手に入ったのに、今では2700バーツを切るのだ。しかも今のタイは物価も上がっているわけで、二重に金銭的負担がかかる。
「タイは安いから云々……」と昔のつもりで言っていたら、驚くことになるかもしれない。それくらい日本円の価値は落ちて購買力も喪失している。インドネシア・ルピア、インド・ルピーも同様で、円の価値がどんどん落ちている。
実のところ、日本人の多くは日本円だけで資産を持っている。ただ国内に暮らしていたら気づかなくても、海外に旅に出てうろつく時は、円の価値が落ちていることをひしひしと感じることになる。
為替相場は国と国の相対関係なので、レートは刻々と変わる。とすれば、どこかで再び円高の局面も来る。しかし、かなり長期的な目線で言うと、国力が衰えていく日本はもっと円安になっても不思議ではない。
これは逆の視点で見ると、何を意味しているのか理解できるだろうか?