途上国のセックス産業に堕ちていく女性たちには、共通して欠けているものが一つあった。それは貯金である。
日本ではカードを持たないという女性はたくさんいるが、途上国の貧しい女性は、生まれてこの方、カードどころか銀行通帳すらも作ったことがないという女性もいたのだ。あまりにも貧困過ぎて、生まれながらにして銀行と接点がなかった。
銀行口座を持っていない人たちのことを「アンダーバンクド(underbanked)」と呼ぶのだが、世界では20億人から30億人がアンダーバンクドの状態にある。東南アジアを見ても、7割の成人が今も銀行口座を持っていないのが現状だ。特に女性はそうだ。
東南アジアは発展したとは言われているのだが、カンボジアやラオスやミャンマーは今でもアンダーバンクドにある貧しい人たちが私たちが思っている以上に多いということを意味する。
特にミャンマーは悲惨なことになっている。ミャンマーはこれから経済発展していこうとしている国であったが、軍のクーデターが起きて成長どころか経済崩壊した中で再び自給自足の原始社会に戻ってしまった。
こうなってしまっては、もはや銀行口座どころではない。生きていくだけで精一杯だ。(ブラックアジア:国民の48.2%が絶対貧困。ミャンマーは近いうちに「飢餓国家」になっていく)
すでに国際社会はミャンマーのことなど頭の片隅にもない。
来年あたりから、私はタイの売春地帯はミャンマーの密入国の女性でいっぱいになっていると考えているのだが、オミクロン後はタイの歓楽街がどうなるのか、そのあたりにも注目している。