インド・ムンバイの売春地帯では売春宿のことをときどき、ケージ(鳥かご)と呼ぶ人もいる。女性たちがそこに閉じ込められていて、鉄格子で締め切られ、入口には用心棒が立って逃げられないようになっている。
なぜ逃げられないようにしているのか。それは、女性たちを人身売買で連れてきているからである。言うことを聞かない女性を、閉じ込め、密室の中で虐待するのである。
牙を抜かれ、女たちが運命に押しつぶされて逃げることを忘れたら、彼女たちはスラム売春地帯のようなところに転売されて、一生涯、売春地獄から逃れられないようにする。
インドの売春地帯はそのような地獄がある。だから、ケージ(鳥かご)なのである。鉄格子の奥は、暴力がそのままそこにある。とても、息苦しく、いたたまれない。そんな鉄格子の奥に、入ったことがある。
ムンバイ。昼間は人通りの多いヴィサルブハイパテル通りは、夜になると、どことなく危険でねっとりとした雰囲気になる。
影の多い建物にへばりつくように、人々が座っていたり寝ていたりする。しかし、よく目を凝らして見ると、彼らのほとんどがこちらを凝視しているのが分かる。
明らかに警戒の色を見せている。夜のこんな時間にこんな地域を歩く外国人も珍しい。彼らが警戒を見せるのは無理もなかった。薄闇の中でこちらを窺う目はまるで……
(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきた売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア インド・バングラデシュ編』にて、全文をお読み下さい)
コメントを書く