コロナウイルスは、観光業・旅行業・宿泊業・飲食業・アパレル業・イベント業、さらにこれらの業界と関わる企業を直撃して経営を悪化させた。中小企業・小規模事業者も売上を落として苦境に落ちた。
その結果、パート・アルバイト・契約社員・派遣社員・日雇い労働・短期労働・フリーランサー・個人事業主の人々の収入を完全に破壊した。
総務省が公表した3月の労働力調査では女性の非正規労働者が前年同月比で「29万人も減った」と報告している。これだけの数の女性が、突如として仕事ができなくなってしまっているのである。
大学生もアルバイトが消えて学費が払えなくなって、このままでは金銭的な理由で大学を辞めなければならないような状況に追い込まれている。政府は支援すると約束しているが、その動きはとても鈍い。
正規の社員も安泰でも何でもなく、会社の業績が軒並み悪化しているのだから、収入減やボーナス減少に見舞われてしまって、切り詰める生活をせざるを得ないような状況になってしまった。誰もがカネに困るようになっている。
どん底に堕ちた人間たちは、助けられると思うのは甘い。こうした状況になると、アンダーグラウンドでうごめくのはワルどもである。
どん底(ボトム)に堕ちて苦しむ人たちが増えたら、こうした困窮者を狙い撃ちして、持っていない人間からさらに奪う人間たちが次々と沸いて出てくる。困窮者はどん底に堕ちたら、もっとひどい目に遭うのだ。
しかし、社会のどん底を這い回る人間たちもまた生き残るのに必死だ。地獄でもがきながら、ある人は開き直り、ある人は逃げ回り、ある人はワルをも手玉に取る。今、日本のどん底(ボトム)で何が起きているのか、見てみよう。