ちょうど1年前。2019年2月に私は沖縄でひとりの女性に会っている。(那覇の夜(3)ハーフの女性がくるはずだったが、そうではなかった?)
彼女は「ハーフ」を名乗りながらも、完全に白人系外国人であったことに驚いたことがあった。日本人の要素は彼女にはまったくなく、言葉も欧米系の白人が勉強をして覚えた訛りの日本語を使っていた。
今も彼女が何者なのか私には分からないのだが、彼女は自分のことを「スペイン系」だと私に言った。そして、彼女はビーチからビーチへと渡り歩いていることや、フランス、ドイツ、デンマーク、ドバイを気が向いた時に回っていることを私に言った。
そして、私はピンと来るものがあった。「彼女は世界を転々としながら身体を売って稼いでいるプロのセックスワーカーだったのかもしれない」と気づいたのだ。
日本にも地方を転々とする流れ者の女性がいる。そして、欧米ではそのスケールを広げた「インターナショナルな流れ者セックスワーカー」もいる。
ちょうど、世界中に国境を越えて売春する女たちを追うインターナショナルなハイエナがいるのと同時に、インターナショナルなセックスワーカーもいるのである。私が沖縄で知り合った女性は、そうした女性だったのではないかと思ったのだった。
世界の底辺では人身売買によって国境を越えて売買される女性もいる。「インターナショナルなセックスワーカー」は、そうした女性たちとはまったく違って、自分の意志で、自分のペースで、自分の都合が良いときに、自分の計画で、売春ビジネスのために国外に出て稼ぐのである。
こうした女性の存在を裏付ける興味深い事件もあった。「ソフィア・ベル」という女性の逮捕劇である。