中国人でもない私たちも中国政府に個人情報のすべてを盗まれて監視される

中国人でもない私たちも中国政府に個人情報のすべてを盗まれて監視される

今、中国政府が徹底的に隠蔽している情報がある。「六四天安門事件」である。なぜ中国政府はこの事件を隠すのか。それは、政府が「民主化を求める学生や一般市民1万人を大量虐殺した事件」だからだ。

「民主化」
「市民大量虐殺」

「六四」とあるように、天安門事件は6月4日に起きた。1989年のことなので、今年2019年で30周年になる。だから、30年目の6月4日を警戒して中国政府は自らに批判が飛んでこないように、必死で情報統制をしているのである。

中国では「天安門事件」と検索しても何も出てこない。天安門事件を記したウィキペディアも全言語へのアクセスをブロックされた。ユーチューブ、フェイスブック、ツイッターも10年ほど前からとっくにブロックされている。

中国企業のSNSも監視されていて、天安門事件について語った文章は削除され、書いた人間は連行される。

民主化運動を進める人権派弁護士もあらかた逮捕・拘束されている。民主化運動を再燃されたくない中国政府の強硬な姿勢がこれだけでも分かるはずだ。中国のインターネットは年々、規制が厳しくなっている。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

中国は徹底した情報封鎖社会だ

中国は徹底した情報封鎖社会だ。中国共産党は情報を統制し、自分たちの都合の良い情報しか流さない。そして、都合の悪い情報は徹底的に隠す。

中国は2015年から人権派の弁護士が次々と逮捕される事件があったのだが、やっとのことで刑期を終えて出所してきた弁護士が再び拉致されるという事件が今年になって起きている。

「民主化」「人権」は中国政府にとっては抹殺すべき対象になっていて、だからこそ民主化運動や人権運動を起こしそうな人間は、本人はおろか、その家族まで拉致・監禁されるような事件も起きるのだ。

中国政府はとにかく絶対に「自由な言論」は認めることはない。なぜなのか。それは、中国に社会的矛盾が渦巻いているからだ。

役人の汚職、犯罪隠蔽、環境汚染、暴動、人権無視、知的財産の窃盗、周辺国家の弾圧。中国の問題は1つや2つではない。そのすべてが中国共産党を崩壊させるのに十分なインパクトがある。中国政府は、言論封鎖でかろうじて成り立っている。

中国が必死になって言論封鎖をしているのは、言論封鎖をしなければ国内が混乱してまとまらなくなるからだ。あまりに政府批判が多すぎて、中国共産党の一党独裁が成り立たなくなってしまうのだ。

情報封鎖と世論操作をしなければ中国のインターネットは政府批判で溢れ、政府のありとあらゆる工作が暴露され、腐敗が表沙汰になり、暴動が暴動を生み出すような危険な状況になっていく。

中国政府も、中国人民もお互いに相手を信じていない。猜疑心と不信の目で相手を見ている。中国では騙される方が悪いという社会なので、誰も相手を信じない。

だから中国共産党政府は独裁を強めていき、中国人は家族しか信じられないから血縁主義になっていった。お互いに相手をまったく信じていない。

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金盾(グレート・ファイヤーウォール)

政府が国民をまったく信用せず、威嚇・恫喝・策略で国家運営をしているとすれば、政府が最も恐れるのは、その策略が暴かれることであるのは当然のことだ。

策略が暴かれるというのは、要するに詐欺の手口が暴かれるのと同じだ。一気に信用が崩壊して、存在が否定される。だから、暴かれないために徹底して情報統制する。

今まで国民を統治するためにやってきた嘘や弾圧や搾取を必死になって隠蔽するために、政府にとって危険な情報は根こそぎ削除するしかない。

中国政府はなりふり構わずそうしている。その象徴が、インターネットの徹底的な検閲と遮断なのである。

この検閲と遮断のシステムは金盾(グレート・ファイヤーウォール)と呼ばれているのだが、金盾による検閲は今のところ成功していると言える。このシステムは、2003年から稼働しており、今の中国のインターネット環境を支える重大な存在である。

反体制派の人間がいたら、ありとあらゆる方法で個人のパソコンをハッキングして、メールの内容すらものぞき見る。こうした監視の中で全中国人が24時間365日、徹底監視されているのである。

危険なのは、こうした情報統制や監視は国外にまで及んでいることだ。

アメリカは、過去10年に起きている数多くのハッキング行為の裏には、中国の人民解放軍が関与していると報告書を出したことがある。「軍」の組織がハッキングに関わっている。

そんな調子だから、グーグルやフェイスブックがそのままの形で中国に進出するなど許されることではない。グーグルは、中国政府の意向に沿った結果を出す検索エンジンで中国に進出しようとしたが、それは従業員によって暴露されて計画をあきらめざるを得なかった。

中国に関わると、アメリカ企業さえも邪悪になっていく。

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中国共産党独裁政権は、全人類の敵

中国政府の監視が中国国内だけで終わっているのであれば、「こんな政府を持った中国人はかわいそうだ」という他人事で見過ごすことができた。

しかし、世界はもう中国政府のやっていることを見過ごせなくなった。

なぜなら、中国は世界中からありとあらゆる方法で知的財産を強奪して組み立てた製品や技術で世界に打って出るようになり、それによって世界中の人々の情報が中国政府に「筒抜け」になっていったからだ。

ファーウェイやZTEのスマートフォン端末、あるいは中国製のソフトやハードは、ユーザーの個人情報を秘密裏に中国のサーバーに転送する機能がいくつも仕組まれていることが分かっている。

ルーターにこうしたバックドアが仕掛けられて、それが全世界の通信ネットワークに組み込まれてしまうと、全世界の情報が中国に集まっていくことになる。

今後、世界は「5G」というイノベーションであらゆるモノがインターネットにつながって「超」高度情報化社会に入っていくのだが、国家や軍の機密情報から個人情報まで、すべてが中国に流れると、世界は中国の思いのままになってしまう。

私たちは、行動のすべて、生活のすべて、資産のすべて、プライベートのすべてを、中国政府に監視されることになるのだ。中国人が監視されるだけでなく、私たち全員が中国政府に監視されることになってしまう。

なぜ、中国人でもない私たちが中国政府に個人情報のすべてを盗まれて監視されなければならないのか。

世界中の誰も、そんなことを望んでいない。

だから、私たちは今の中国に「ノー」を突きつけなければならないのである。策略と謀略と威嚇で成り立っている今の中国共産党独裁政権は、全人類の敵だと言っても過言ではない。(written by 鈴木傾城)

中国の国家主席・習近平。中国の支配を許すと、私たちの個人情報はすべてこの男に掌握される。だから、私たちは今の中国に「ノー」を突きつけなければならないのである。

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