タイは、タクシン派のインラック政権が2014年に軍によって強制的に失職させられた後、ずっとプラユット首相が「暫定」で軍事政権を継続していた。(ブラックアジア:インラック首相がついに失職。再び流動期に入ったタイ政治)
「暫定」なので、1年以内に総選挙が行われて、正式な政権委譲が行われるとタイ人も国際社会も考えていた。ところが、プラユット首相は「まだ時期尚早だ」「プミポン国王が崩御したので総選挙を延期する」と何かと理由をつけて総選挙を伸ばしてきた。すでに5年も経つ。
プラユット首相はその間、ずっとタクシン・シナワット元首相を敵視していて、その影響力を削ぐために動いていたが、さすがにもう総選挙の延期も難しくなり、やっと2019年3月にそれを行った。
その結果が、2019年3月25日に「一部」判明したのだが、プラユット首相派(国民国家の力党)とタクシン元首相派(タイ貢献党)が両方とも政権が樹立できる議席を確保したと勝ちを名乗り上げ、混乱・紛糾している。
最終的な結果は5月9日になるのだが、「不正が行われた」「信用できない」と互いにわめきあって禍根を残すのは必至の状況だ。いつものことだ。そんな中で、ハイエナたちは売春地帯に巣食って横目でじっと成り行きを見ている。
ハイエナたちの関心はひとつしかない。売春地帯が生き残るか否か。