2017年4月19日、山辺節子という62歳の女性がタイから日本に強制送還されて逮捕されている。
彼女は何をやったのか。
高利を約束して50人近くから違法に約7億円近い資金を集め、それを私的に流用してタイに逃亡していた。「東芝、シャープ、ソニー等々につなぎ融資をする」という名目で出資者を騙して、本人は「つなぎ融資の女王」と自称していた。
「つなぎ融資」とは通常は、たとえば不動産の購入の際に現金の都合が付かなくなったとき、金融機関に一時的に借りてしのぐ借金のこととして知られている。
その「つなぎ融資」で金を集めるというのは、何か金融的に複雑なトリックがあったかのように見えるのだが、山辺節子のやっていた「つなぎ融資」の全貌はまだ分かっていない。
「数ヶ月後に東芝、シャープ、ソニーから確実に売上が入ってくるんだけど、今をしのぐお金がないので貸して。その代わり25%の利息を払います」
「つなぎ融資に出資したら確実に元本保証で25%の配当が取れるのでどうですか?」
こうした口実を使い分けて金を集めていたようだ。50人近くから7億円以上もの金を集めたと言われているが、その7億円も嘘かもしれない。被害総額はもっと多い可能性がある。