どんな世界にしろ、能力を向上させるには対象に打ち込む真摯な姿勢が必要になる。天才的な技能を持つ人たちは、尋常ではない集中力で物事に取り組んでおり、決して運や持って生まれた才能だけで能力を開花させているのではないことが分かっている。
遺伝的な才能にプラスして、凄まじいまでの取り組みが能力の土台を作り上げている。
こうしたことから、知能指数が高い低いよりも、どれだけ対象に時間をかけたかで成功できるかどうかが測れると主張するジャーナリストもいるくらいだ。
しかし、こうした長い期間に渡る下積みと鍛錬は、精神的にも肉体的にも非常にキツく厳しく苦しいものである。
人間は誰でもつらいことや面倒なことは避けたいと考える。いくら好きなことであっても長い時間をかけて延々と下積みをしたいと考える人は少ない。
あるいは、長い鍛錬をしてもスランプに陥り、どうしても能力を向上できないで焦りを感じる人もいる。自分自身に苛立ち、能力を発揮できないことに怒りすら感じるのである。
そして、どうするのか。一部の人は「裏口」を思いつく。(鈴木傾城)