水商売や風俗で生きている母親を見て育った娘は、やはり水商売や風俗で生きるようになることが多いのはよく知られている。母子家庭で生まれ育った娘も、成人したら母子家庭になることもよく知られている。
なぜか。母親という「朱」に交わって赤くなったのだ。
あるいは、多感な思春期から20代前半に不良たちと混じって過ごしてきた少年少女は、大人になってもアンダーグラウンドに生きることもよく知られている。
「朱に交われば赤くなる」のは真実でもある。染まる色の強さは濃淡があるにしろ、誰もが今まで付き合って来た人たちの人生哲学や、物の見方や、感情表現が、知らない間に乗り移っていく。
だから、親は子供が不良グループと付き合うのを厳しくいさめる。タバコやアルコールを平気でやる子供たちと一緒にいたら、自分の子供もやがてはそうなるのを親は知っているからだ。
そして、性に奔放な女友達と一緒にいると、真面目な娘も感化されて性に奔放になることも親は知っている。10代の乱脈なセックスは、少女のまわりに悪い男たち、アルコール、ドラッグ、予期せぬ妊娠、性病と、次々と問題を引き起こす。
朱に交わった少女は、やがて真っ赤になってアンダーグラウンドに堕ちていく。