大阪には、5大新地(ちょんの間地帯)がまだ残っているというので、これらが時代の波に流されて消えゆく前にすべて見ておきたいと思った。
というのも、関東では「町田・たんぼ」「横浜・黄金町」もすべて政府当局によって叩き潰されており、町田のちょんの間の雰囲気を愛していた私には、少なからずのショックを覚えていたからだ。
町田については、電子書籍の小説『グッドナイト・アイリーン』に書いた。町田ちょんの間の主役はタイ女性だった。(『グッドナイト・アイリーン 町田「ちょんの間」の闇にいたタイ女性(鈴木 傾城)』)
「ちょんの間」という売春スタイルは、もはや時代に合致しておらず、大阪の新地を見ても政府当局がじわじわと締め付けて消しているのが見えてくる。
政府当局は「ハコ」と呼ばれる施設型の風俗を日本から消しにかかっている。新しい建物で施設型の風俗を行うのは許可しておらず、古い建物が朽ち果てて自然消滅するのを狙っているのである。
だから、ソープランドも恐ろしく古くて時代遅れの建物ばかりだし、ちょんの間もまた老朽化した建物で続いている。この老朽化した建物がいつまで持つのか分からないが、建物が使い物にならなくなった時点で、そこは「終わり」なのだ。