風邪をひいたことがない人はいない。そして、風邪をこじらせたことのない人もいない。
喘息(ぜんそく)というのは、風邪をこじらせて気管支炎にまで至った人は誰でもかかる可能性がある病気だ。通常は喘息になる前に治るのだが、気管支炎がさらに悪化して喘息になってしまう人も珍しくない。
喘息の多くは子供がなるので、これを子供の病気であると認識している人も多い。しかし、気管支炎をさらに悪化させるというのは大人でもあるわけで、決して子供だけの病気ではない。
大人の喘息は治りにくいというのが一般的な認識だ。
喘息の治療はステロイドが中心になるのだが、喘息治療のステロイドは気管支を拡張させる作用があるので、喘息でも何でもない人がこのステロイドを使うと肺活量が増加して競技的パフォーマンスが向上する。
そのため、喘息で使うステロイドは実はドーピング薬でもあったのだ。ステロイドの世界は、思ったよりも奧が深く大きな関心を持った。
ところで、喘息にはかなり効くのがステロイドなのだが、それでも多くの死者を出している病気だ。