就職できない多くの若者は、引きこもりとなって親のスネをかじっている。こうした若者は35歳から統計の対象から消えてしまうのだが、35歳を過ぎて彼らが急に働けるようになるのかと言えばまったくそうではない。
35歳まで働かなかった人間は、もはや自分が働けるという自信が喪失している。
仮に自立しようと考え、勇気を振り絞ってどこかに面接に行っても「今までいったい何をしていたのか」と詰問されて最初から落とされてしまう。
それが何度か続くと、再び引きこもりに入ってしまう。
しかし、親とていつまでも高収入を得られるわけではない。引きこもった子供が30代に入る頃は、ほとんどの親は50代後半か60代の前半になっている。
普通の勤め人であったとしたら、年齢からして収入は減っていく一方だ。そうなると、どうなるのか。
やがて、親はパラサイトしている子供の面倒を見ることができなくなってしまうのである。親子ともども共倒れだ。
親にパラサイト(寄生)しようと思っても、寄生する親が体力を消失しているので、引きこもることすらもできなくなる。そして、路上に放り出されるようになる。(鈴木傾城)