大阪というのは本当に面白いところで、関東ではほぼ全滅した「ちょんの間」が、今もごろごろと残っている。
ちょんの間とは15分、30分、60分程度で小料理屋の二階でセックスを行う売春施設なのだが、「お上」の黙認の上に1950年代からひっそりと日本の裏側にある裏風俗である。
私は東京の郊外にある町田の「たんぼ」と呼ばれるラブホテル街の一角にあった「ちょんの間」に何度もうろうろしていたこともあった。
その理由はそこがタイ女性たちが密集している場所だったからである。(電子書籍『ブラックアジア的小説・グッドナイト・アイリーン』)
関東は他にも新大久保、横浜の黄金町にもタイ人女性が集まっていたが完全に終焉した。アメリカに「日本は人身売買国家だ」と名指しで指摘されて政府当局は威信をかけて外国人女性が働いている「ちょんの間」を叩き潰したからだ。
しかし、関西の「ちょんの間」はすべて生き残っている。なぜか。関西は働いている女性のすべてが日本人か日本人に見える女性ばかりだったからである。
警察当局の摘発はあくまでも「外国人女性を働かせている店」であって日本人女性は対象外だったのだ。かくして関東の裏風俗は壊滅して、関西はほとんどが無傷で生き残った。