フランス革命で処刑されたマリー・アントワネットは、庶民が飢えている中で凄まじい浪費と豪華絢爛な生活に明け暮れていた王妃だった。
その過剰なまでのケバケバしさと豪華絢爛な趣味は、確かに人目を惹いた。
過剰のメリットは、何と言っても訴求力があるということだ。訴求力があるというのは、分かりやすい言い方をすると、非常に目立つということだ。
過剰にメイクアップし、過剰に派手な格好をすることによって人を驚かすことができる。人目を惹きつけ、印象を深めることができる。華美を演出することができる。
しかし、こういった過剰の効用は分かりやすいが、欠点もまたたくさんある。どういった欠点か。
過剰になることで、逆に安っぽく見られる。過剰になることですぐに飽きられる。過剰になることで反発者もたくさん生むという欠点だ。
マリー・アントワネットが当時の人々に徹底的に憎まれて、ギロチンに引き立てられたのは、まさにその過剰なまでの派手派手しさが憎しみの対象になったからだ。ギロチンで彼女の首が飛んだ時、それを見た民衆たちは歓喜した。(鈴木傾城)