私はフィリピンが好きだが、治安はけっしていいわけではない。特に首都マニラでは、スリや強盗、詐欺などが頻発し、人影のまばらな場所ではピリピリとした緊張感を感じるほどだ。
タクシーに乗っても警戒心は解けない。そもそも、タクシーの運転手も信用できるのかどうかわからない。気をつけろとはいわれるが、個人の努力で対処しきれない部分もある。
フィリピン、特に首都マニラにおける強盗事件は近年増加傾向にあり、外国人観光客や在住者にとって深刻な問題となっている。
マニラの繁華街や住宅地では、拳銃を持った犯罪グループが人々を脅し、金品を奪う事件が多発している。2024年10月には日本人を狙った強盗事件が短期間で6件発生しており、日本大使館は異例の注意喚起をおこなっている。
フィリピンの強盗の手口は組織的かつ大胆だ。
犯人たちはバイクを使用し、徒歩で移動中の被害者を狙う。これらの事件では、拳銃やナイフが使用されることが多く、被害者が抵抗した場合には暴力が伴うこともある。
2023年の事件では、焼き鳥店で営業中に強盗が侵入し、顧客や店員に銃を向けて脅迫、金品を奪って逃走した事件も報道された。このような事件はマニラだけでなく、ほかの都市でも報告されている。
いうまでもないが、強盗が発生しやすい時間帯は夜間だ。犯行の舞台となるのは路地裏や人通りの少ないエリアが多いが、ときには大通りで堂々とおこなわれることもある。フィリピンでは警察の対応能力や治安維持の限界も指摘されている。
外国人が狙われる背景には、彼らが現地通貨に換算して多額の現金を持っていることが挙げられる。特に日本人は金銭感覚が違うために目立ちやすく、ターゲットにされる傾向がある。
近年の日本人は国の衰退と円安でかつての勢いはないが、それでも現地の犯罪者にとって日本人は「高額な獲物」として認識されている。