◆ディエンビエン省・広西チワン族自治区・雲南省の山岳地帯にある人身売買の闇

◆ディエンビエン省・広西チワン族自治区・雲南省の山岳地帯にある人身売買の闇

ベトナムの地方では、いまだに人身売買が根強く存在している。ディエンビエン省は、ベトナム北部にあるラオスと中国の国境に近い地域で、人身取引の温床となっているのは、アンダーグラウンドの人間たちのあいだではよく知られている。

ディエンビエン省では2017年以降、この省だけで約300人以上の行方不明者が報告されており、その大半が女性・少女だった。そして、ディエンビエン省では75%の世帯が貧困層である。

彼女たちは、どこに消えてしまったのか。中国である。女性たちは「良い仕事があるから」と連れていかれるのが中国で、中国に入ったあとに行方がわからなくなってしまう。

2019年に奇跡的に助かった女性のひとりは、中国人男性に1万ドルで売り飛ばされていて、1年間も監禁された状態で暮らしていた。彼女のように、中国の農村部に売られて「村の所有物」となるベトナム女性は大勢いる。

これは昔の話ではない。今の話だ。

ベトナムは、表向きには経済成長と観光業の発展が進み、都市部は近代化が進んでいるように見えるかもしれない。しかし、地方では貧困や教育の欠如、そして不安定な社会構造があり、弱者が搾取される土壌が形成されている。

そして、人身売買をビジネスにした「業者」が貧困地区にうごめいている。彼らは特に若年層や女性を標的にすることが多い。

彼女たちは、田舎での厳しい生活から抜け出そうとし、都市部や外国での「仕事」を約束されて連れていかれる。しかし、実際には、性的搾取や強制労働の現場に送り込まれるケースが多発している。

私の小説『スワイパー1999』はカンボジアのスワイパーが舞台だが、登場人物のひとりであるマイには現実のモデルがいて、彼女もまたベトナムから売られてきた女の子だった。こうした人身売買は、今もなおベトナムで続いていたのだった。

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

ブラックアジア会員登録はこちら

CTA-IMAGE ブラックアジアでは有料会員を募集しています。表記事を読んで関心を持たれた方は、よりディープな世界へお越し下さい。膨大な過去記事、新着記事がすべて読めます。売春、暴力、殺人、狂気。決して表に出てこない社会の強烈なアンダーグラウンドがあります。

東南アジアカテゴリの最新記事