人々はまだ人工知能(AI)が、何か質問を打ったら答えを返してくれたり、絵を描いてくれたり、動画を作ってくれるような便利なツールと考えていて「たしかに役には立つが、それ以上のものではない」という感触を抱いている。
しかし、人工知能の開発に邁進している巨大ハイテク企業が見据えているのは、ゆくゆくは「人間と同等の知能を持つAI」であり、さらにその先にある「人類を超えた超知能AI」である。
このようにいうと、何か自分たちとはまったく無関係の、ビジネス的な側面でAIが進化していくように見えるが、私はそうではないと思う。最終的に、この進化したAIは自分の「恋人」や「愛人」や「配偶者」になるはずだ。
そして、AIはもっと先には肉体を有するようになり、人間と「愛のあるセックス」を交わすようになると思っている。
AIといえば、その最前線にいるのがサム・アルトマン率いるOpenAI社なのだが、この企業は2024年7月に「ChatGPT-4o」という最新モデルを出した。
この最新モデルは、AIがあたかも人間のように感情を込めて会話し、笑ったり、歌ったり、ジョークをいったりしていた。さらに、このモデルはスマートフォンを通して見えた画像について、いろんな感想をいったり、数学問題を計算したり、計算方法を教えたりしていた。
「これは、まさにサマンサじゃないのか……」
「そうだ、サマンサに違いない」
一部の人はそのように感想を述べた。裏側で興味深いトラブルが起きていた。このAIモデルの「声」を巡って、スカーレット・ヨハンセンがOpenAIを激しく批判していた。「サム・アルトマンは私の声を使いたいと求めてきたのだが、私は断った。それなのにChatGPT-4oの音声は私の声とそっくりだった……」
ChatGPT-4oのデモを見て、私のみならず多くの人がサム・アルトマンの目指している世界を知ることになった。まさにそれは「AIが自分の恋人や愛人や配偶者になる未来」だったことを……。
どうしてそうなのか、詳しく説明したい。