◆ショーン・コムズの失墜。権力者が、その権力で性的欲望を遂げる時代の終焉

◆ショーン・コムズの失墜。権力者が、その権力で性的欲望を遂げる時代の終焉

ショーン・コムズ(Sean Combs)は、アメリカの有名な音楽プロデューサー、ラッパー、実業家で、エンターテインメント業界で非常に成功を収めている人物であった。2024年9月、このヒップホップ界の大物音楽プロデューサーが逮捕された。

1970年にニューヨークで生まれ、音楽業界でのキャリアをスタートしたこの男は、1993年に設立した自身のレコードレーベル「バッド・ボーイ・レコード(Bad Boy Records)」を大成功させて時代の寵児となった。

そして、逮捕されるまでは「ヒップホップ業界でもっとも成功した実業家」として評価されていた。

ところが、いまやこの男の地位はどん底にまで堕ちている。

ショーン・コムズ、通称「ディディ」は、2008年から2024年にかけて長期にわたり、自身の影響力を駆使して、パーティーやイベントの名目で女性や未成年者を性的な行為に強制参加させ、暴力や脅迫をしていたのだった。

検察は、120人以上の男女がディディに対して訴訟を起こす準備を進めていると発表しており、その被害者の中には未成年も含まれていることが確認されている。届け出た被害者の60人は男性で、60人は女性である。

ディディの逮捕の背後には「フリーク・オフ」と呼ばれる乱交パーティーがある。

これらのパーティーは表向きにはセレブたちが集まる華やかなイベントとされていたが、実際にはここでケタミンやエクスタシーなどのドラッグが蔓延し、セックスの強要や暴力的行為がおこなわれていた。さらに、これらの行為は映像に残され、被害者を脅すための手段として利用されていた。

つまり、被害者はディディの性的欲望の犠牲になり、次にパーティーで無理やりセックスを強要され、さらにそれを撮られ、のちにそれを脅迫の材料として使われるという何重もの被害に遭っていたのだった。

なぜ、これほど大規模な犯罪が明るみに出なかったのか。もちろん、権力者に逆らうとその業界では生きていけなくなるので、誰もが保身で口をつぐんでいたからだ。

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