最近、ルーマニアの経済が好調であると報道されている。ルーマニアを含め、ポーランド・モルドバ・ブルガリア等々の「東欧」と呼ばれる国々は長らく失敗国家であるという認識であった。
ところが最近、低迷する近隣諸国をよそに、ルーマニアだけがなぜか調子が良いのである。調べてみると、隣国であるウクライナが戦争に入り、これによってウクライナに拠点を持っていた企業が続々とルーマニアに拠点を移してビジネスを始めるようになったからだった。
こういう言い方が良いか悪いかは分からないのだが、ルーマニアは一種の戦争特需の恩恵を受ける国になったという言い方もできる。しかし、この特殊な要因がなくても、ルーマニアはコロナ禍のマイナス成長を脱して自律的に成長していた。
やっとルーマニアは低迷期を脱して、経済成長の緒についたというのが世界の認識でもある。ただ、ルーマニアは貧富の差が非常に激しく、都心部と農村部では1人当たりGDPが4倍ほどの格差があって、誰もが同時に経済成長を味わっているわけではない。やはり、取り残されている人たちも多いのだった。
ルーマニアから来た日本にやってきた32歳の女性と会った。
金髪のストレートの髪は美しく、彫りが深く、肌が白く、絵に描いたような東欧の美女という風情であり、しかも驚くほど日本語が流暢だった。聞いてみると「10年くらい日本にいる。でも、ルーマニアと日本を行ったり来たりしているので10年ずっと日本にいるわけじゃない」と彼女は答えた。
ここ2年ほどはコロナ禍で日本に入れなかったが、やっと日本にやってくることができたので、彼女は心から安堵していた。