2019年。オーストラリアを代表する都市シドニーのノースショア地区に、特殊なマッサージ・パーラーがあった。2階建ての白塗りのビルに入った看板もない目立たない店だったが、インターネットでは大々的に客を募っていてノースショアでは有名な店だった。
ウェブサイトには「さまざまな選択肢があります。特別なマッサージからエロティックなサービスまで」と書かれていて、数十人の女性の写真が顔を隠した状態で載っていた。この女性たちのほとんどはアジア人女性だった。
オーストラリアは白人が支配する国ではあるのだが、実はアジアから大量の留学生や移民を受け入れており、中国人も韓国人もインド人も大量にいる。近年は中国人があまりにも増えすぎて「サイレント・インベイジョン(静かなる侵略)」が問題になっているほどである。
アンダーグラウンドの世界でも中国系(大陸の中国人だけでなく、東南アジアからやってきた華僑も含む)がじわじわと勢力を伸ばしていた。その中国系の主力となっている売春ビジネスの形態のひとつが「マッサージパーラー」なのである。
個室でマッサージをするのだが、「スペシャルマッサージ」が裏メニューにあって、顧客が望むと追加料金で性サービスを受けることができる。マッサージパーラーには、もちろん白人系の女性もいる。しかし、主力となっているのは、ほとんどが外国からきたアジア人女性だった。
これは、オーストラリアだけでなく、アメリカでも事情は変わらない。国籍は韓国だったり中国だったりマレーシアの華僑だったりするのだが、彼女たちは留学や観光という名目でその国に入って、マッサージパーラーのような「隠れ風俗店」で稼ぐ。
このノースショア地区のマッサージパーラーもまた、オーストラリアに大量にあるアジア系女性による性的マッサージ店のひとつでもあった。オーナーもまたアジア系の女性であった。
しかし、この店は他の店とは違った「別のサービス」もやっていたことが2019年に発覚した。何をやっていたのか……。