プノンペン市内にあったスラム売春地帯「ブディン」の消滅

プノンペン市内にあったスラム売春地帯「ブディン」の消滅

カンボジア編
夜、プノンペンの独立記念塔を川沿いに向かっていくと、明るくショーアップされた観覧車やメリーゴーランドが目に入る。その遊園地の手前を右に入ると、そこはブディン地区になる。

川沿いには不法居住者が住まうスラム街が広がっているが、ソティオロス通りの一帯は置屋が並んでいた。賑やかな遊園地のところが光だとすると、こちらは影の部分だ。

明日の見えない生活に困窮した男たち、女目当てにライフルを持ったままやって来る兵士、売春宿の主人にたかりに来る警察官、そして妖しい魅力を全開にした女たちが混沌とした雰囲気を醸し出していた。

ここは70ストリートと同じく、ベトナム人の売春女性とクメール(カンボジア)人の売春女性が別々の置屋で別々にビジネスをしていた。

ベトナム置屋に行こうとすると「お前は金持ちなのに、なぜベトナム人のところに行くんだ?」と不思議がられる。現地の人は金に余裕のある時はクメール置屋に、余裕のないときはベトナム置屋へ行くことが多い。

だから、「金持ち」であるはずの外国人がどうしてベトナム人の置屋にわざわざ足を運ぶのか理解に苦しむらしい。 本当は、どちらが優れているというわけでもない。

金のない若い兵士はベトナム置屋にたむろしていることが多いようで、それが殺伐とした雰囲気のブディンをますますディープで危険なものに見せている。

シアヌーク通りからベトナム人の置屋を見ながら……

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア カンボジア編』にて、全文をお読み下さい)

ブラックアジア・カンボジア編
『ブラックアジア・カンボジア編 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』

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