荒廃した肌。全身に吹き出物を抱えたタイ女性ナームのこと

荒廃した肌。全身に吹き出物を抱えたタイ女性ナームのこと

シンガポールの紅灯街である「ゲイラン」は好きだ。実に退廃しており、それが陰湿で、剥き出しなのが素晴らしい。ハイエナにとって、シンガポールとはすなわちゲイランのことである。

かつてシンガポールはゲイランの他にいくつかの地域が売春地帯として栄えていた。しかし、今では観光客向けのオーチャード・タワーと現地人向けのゲイランくらいしか残っていない。

だから、真夜中になると、性欲に飢えて野獣のようになった男たちがここにやってくる。

このゲイランもまた、神経質なシンガポール当局が何かと理由を挙げて執拗な取り締まりをしている。選挙も近づくと、なぜかゲイランの取り締まりまで厳しくなる。

それでもこの国には他にまともな売春地帯がないので、ゲイランそのものが消えてなくなることはない。

売春地帯を必要としない都市はないのだ。政府が叩きつぶしたとしても、売春で生計を立てていかなければならない女もいれば、女がないと一日も生きていけない男も多いのだ。

夜中も2時を過ぎると、ゲイランはいよいよ佳境に入る。街に立つ女は増えるし、眠れない男たちの数も増える。

シンガポールの男たちが、ぶらぶらと歩きながら生鮮食品でも見るように遠慮なく女性たちを品定めして通り過ぎる。

男たちは自分の楽しみで自由に歩き回っている。しかし、女たちはそうではない。疲れを見せ始めて壁にもたれて男を待つ娘や、座り込んでいる娘もいる。

エージェントに雇われて立たされている娘も多い。厳しいエージェントに当たった娘はかわいそうだ。2時間も3時間も、客がつくまでずっと直立不動のまま同じ場所に立たされ続けている。

エージェントを立てていない女性は……

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきた売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア』。本編に収録できなかった「はぐれコンテンツ」を掲載。電子書籍にて全文をお読み下さい)

ブラックアジア外伝1
『ブラックアジア外伝1 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』

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