◆インド社会の暗部で起きていること。ゲイ男性を標的にしたアウティング型恐喝

インドでは、2018年まで同性愛者を処罰していた。この年、刑法377条が廃止され、同性間の性的行為は非犯罪化されたのだが、例によって人々の意識は法律の変化に追いついていない。

特に地方や保守的な家庭では、ゲイであることは依然として強い偏見や差別の対象であり、家族からの勘当、職場での解雇、地域社会からの孤立が現実に起きている。息子から「僕はゲイです」と告発された両親が悲嘆のあまり自殺するくらい、ゲイは嫌われている。

そのため、多くのゲイ男性は性的指向を隠して生活せざるを得ない。安全に暮らすためには沈黙を選ばざるを得ない状況が続いている。それを狙って起きているのが、ゲイ男性を標的にしたアウティング型恐喝事件である。

アウティングとは、本人の同意なく、その人がLGBTなどの特別な性的指向や性自認であることを第三者に暴露する行為である。悪意を持って公表し、本人の社会的評価や人間関係、職業生活に深刻な影響を与える場合が多い。

特にインドのような、まだ同性婚や性的少数者への理解が不十分な社会では、アウティングは精神的苦痛や社会的孤立、職を失う危険を伴い、事実上の人権侵害となる。このアウティング型恐喝が増えているのだ。

都市部では、スマートフォンとデーティングアプリの利用が増加している。これによって、被害が広がっている背景がある。

典型的な手口は、ゲイ向けの出会い系アプリで接触し、性行為をその場で撮影するか、あらかじめ仕掛けた盗撮で証拠を押さえ、それを使って「お前はゲイだ。世間にバレてもいいのか?」と脅し金銭を要求するというものだ。

2025年2月、ウッタル・プラデーシュ州ガジアバードでは、アプリGrindrで知り合った男性が被害者をアパートに誘い込み、性的行為を盗撮。撮影映像を盾に、総額14万ルピー(約21万円)を脅し取った。

被害者は恐怖から一時的に支払いに応じたが、最終的に警察に通報し、犯人は逮捕された。こうしたケースは氷山の一角に過ぎない。

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コメント

  1. 鈴蘭 より:
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