先日、風俗の仕事をまったくしたことがない表社会の30代の女性と話をしていて、「生活が苦しいので風俗の仕事を考えたこともある。風俗をやったら、すごく稼げるんでしょう?」と訊かれた。
「風俗は年齢やジャンルによって幅があるので、必ずしもみんながすごく稼げるわけではないと思う」
私がそのように言うと、「私の知り合いで100万円稼いだという人もいる」というので「そういう人もいるけど全員が100万円稼げるわけではない」と私は答えた。
「競争相手は若い子で、年齢がいけばいくほど稼ぎは悪くなるし、体力も落ちるから厳しくなると思う。もちろん、すごい努力で稼いでいる人もいるので、稼げるかどうかはやってみたいと分からないけど……」
雑談の中で、そんな話を彼女としていた。彼女は風俗が厳しい仕事だというのは理解しているが、そこに飛び込めば誰でも大金を稼げるのだという思い込みがあるようで、そうではないことを私は説明した。
私はセックスワークほど女性の適性が問われる仕事はないと思っている。こうした業界に詳しくない女性は、その適性が凄まじい収入の差になって現れるのが、感覚として理解できていないような気がした。
そうなのだ。風俗という仕事は「適性」で極端に収入も境遇も変わる。
風俗嬢とはすでに200人以上もの女性と話をしたり聞いたりしているのだが、その中で私がよく質問するのは「身体を売るハードな仕事で、儲かっているのか、儲かっていないのか?」である。
風俗の仕事は単価が高く、一日に5万円どころか10万円稼ぐ女性も珍しくないわけで、そういう話を聞いていると、全員が全員リッチに暮らしているように見える。ところが、まったくそうではないのが面白い。