正義大好き戦士《ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー》が社会を破壊する

正義大好き戦士《ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー》が社会を破壊する

世の中は「きれいごと」ばかりで成り立っていない。「きれいごと」どころか清も濁も渾然一体となってドロドロの状態である。100%清廉潔白な人間などこの世にいないので、そうやって他人を追及する「正義大好き戦士」も、実は後ろ暗い裏側の性格を隠し持っている。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019、2020年2連覇で『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

「ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー」と呼ばれる人

欧米でも日本でもそうだが、TwitterのようなSNSでやたらめったらと正義を振りかざす人がいる。

たとえば「男らしく、女らしくという人は多様性を理解しない差別主義者」だとか「身体は男・心が女の人が女性用のトイレや銭湯に入れないのは差別」だとか「外国人という言い方は人を区別しているので差別用語」だとか言う人もいる。

欧米では「ポリスマンを使う人は男《マン》を使っているので差別主義者」「メリークリスマスを使う人は他の宗教の人たちの感情を考えない差別主義者」「黒人という言い方は差別主義者」と騒ぐ人たちも多い。

そして、自分の基準とは違う人を見つけると、ひたすら攻撃・批判・追及し、吊し上げる。そういう正義大好き人間がいる。

欧米ではこうした人間を軽蔑と嘲笑を込めて「ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー」と呼ぶ。「social justice warrior」は「SJW」と略されることもある。

こういう人たちの存在については、ウィキペディアにも掲載されている。(ウィキペディア:ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー

『フェミニズム、人権(市民権)、文化多様性、アイディンティティ・ポリティクスなど様々な社会進歩的な考え方を広めようとする人を指して言う言葉で、軽蔑的なニュアンスが色濃い』

「ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー」はこのように定義されているのだが、この雰囲気を日本語で伝えるとしたら直訳の「社会正義戦士」よりも、「正義大好き戦士」みたいな雰囲気で訳す方が実情に近い。

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「正義大好き戦士」も間違いなく裏があるはずなのだ

恐らく本人たちは大真面目に正義を言っているのだろう。しかしながら、世間では「正義大好き戦士」と揶揄されているのを見ても分かる通り、正義を追及するあまり滑稽な存在と認識されるようになっている。

当たり前の話だが、世の中は「きれいごと」ばかりで成り立っていない。「きれいごと」どころか清も濁も渾然一体となって存在しており、ドロドロの状態である。

はっきり言って100%清廉潔白な人間などこの世にいないので、そうやって他人を追及する「正義大好き戦士」も、実は後ろ暗い裏側の性格を隠し持っているはずなのである。

道徳を説く教師が風俗嬢を盗撮して逮捕されていたとか、夜の女性を「売春婦」だとか言って糾弾していた男が不倫していたとか、きれいな政治を訴えていた政治家が賄賂をもらっていたとか、きれいごとを言っている人間たちの不祥事は事欠かない。

「正義大好き戦士」も間違いなく裏があるはずなのだ。しかし、自分を棚に上げて正義の味方を演じて他人を攻撃しているはずなのだ。だから、滑稽なのである。

別に「正義」を説くのが悪いとは言っていない。悪いどころか、「正しい正義」を説ける人は尊敬に値する。私利私欲もなく、邪心もなく、社会の巨悪と戦いながら正義を説く人の姿は感銘する。

中国で中国共産党を批判して投獄される民主派の弁護士は尊敬に値するし、アフガニスタンでタリバンの蛮行を批判する女性たちも尊敬に値する。

正義を貫くことで自らの人生が犠牲になることを理解していながら、それでも社会のために(国のために)、戦う人が世の中にいるのである。素晴らしいと思う。

しかし、「正義大好き戦士」は、自らの人生を挺して巨悪に立ち向かうような覚悟と迫力ある正義ではなく、自分は安全地帯にいて攻撃しても差し障りのない相手を見つけて正義を盾にして相手を袋叩きにする。

言って見れば彼らは「正義大好きごっこ」をやっている。だから、嘲笑の対象になっていくのである。

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セックス産業に関わる男=100%チンピラ・レイプ魔?

フェミニストも、クズのようなフェミニストは多い。たとえば、フェミニストの中には頭から「売春は悪、売春する女性は被害者」と決めつけて、「世の中から売春をなくせ」と狂信的に叫ぶ人も多い。

「セックス産業=100%絶対悪」
「セックス産業で働いている女性=100%男の犠牲者」
「セックス産業に関わる男=100%チンピラ・ゴロツキ・レイプ魔」

このように極度の潔癖主義で、夜の世界を糾弾する人間たちもいる。ちなみに、こうした主張をするのは世の中を知らない女性だけのように思う人もいるが、一部に男性も存在する。

かなり真面目な男性、もしくは偽善者なのだろう。とにかく、「セックス産業=100%絶対悪」という純化100%思想を持って、その極端な考え方を他人に押しつけてくる「男」も世の中に存在するのである。

日本には「表現の自由」があるので、別にそういう人間が何を信じて何を主張してもまったく構わないのだが、それを他人に押しつけて他人を糾弾してくる人間もいるので迷惑だ。

こういうのが、まさに「正義大好き戦士」である。セックス産業は許せない、セックス産業は抹殺すべきだ、セックス産業で働く女性は1人残らず救済すべきだ、セックス産業に関わる男はみんな刑務所にぶち込むべきだ……。

そうやって主張するのが「正義大好き戦士」なのだ。

こうした極度な偏向を押しつける「正義大好き戦士」には、セックス産業で働く女性や、そうした女性を救済する団体からも呆れ果てられて「逆に邪魔な存在」と罵られているのは言うまでもない。

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「きれいごと」で何か言う人間がますます嫌いになった

私は別に誰がどのように堕落していても特に関心もないし、そもそも私自身が他人の100倍ほど堕落しきっている人間なので「きれいごと」なんか言える立場ではまったくない。

だからというわけではないが、「きれいごと」を言いながら生きている高尚な人よりも、少しくらいワルの要素を持った人の方がずっと好きだ。「きれいごと」で生きている人と一緒にいたら疲れるのである。

私自身は友人らしき友人がほとんどいないが、いてもみんな何か裏を持った人間ばかりだ。

東南アジアでドラッグ三昧だとか、売春する女たちを追って生きているとか、裏稼業で生きているとか、刑務所に留学していたとか、「正義大好き戦士」が見たら卒倒するような人ばかりだ。

女性でも、表社会で品行方正に生きている立派な女性なんかまったく関心がない。それよりも、開き直って社会の裏側で男を誘いながら「これも女の生き様」と堂々と生きている女性の方がよっぽど好きだ。

そんなわけで、私自身も「正義大好き戦士」とは相性が合わないし、彼らに糾弾される側に立っている。

ちなみに私は、アンダーグラウンドにどっぷり浸っている人間としても長らく批判されているのだが、最近ではそれ以外にもTwitterで外国人犯罪を取り上げる内容が「暴言や脅迫、暴力を増長している」として二度も凍結を食らっていて、次に通報されたら永久凍結されることになっている。

別に私は「暴言や脅迫、暴力を増長」した覚えはないのだが、正義大好き戦士が「差別だ、暴言だ、暴力の増長だ」と通報している。(ダークネス:鈴木傾城のコンテンツでは、もうブロガーであり続けることは難しいのではないか

こういうこともあって、「きれいごと」で何か言っている人間がますます嫌いになった。もっとも、社会から「濁《だく》」の部分が消えることはないので、正義大好き戦士は最終的に敗北する側であるのは間違いない。

野良犬の女たち
『野良犬の女たち ジャパン・ディープナイト(鈴木 傾城)』

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