2021年9月27日。味藤愛莉《みとう・あいり》という24歳の日本女性が、トルコ人との偽装結婚で逮捕されている。
彼女は名古屋市名東区に住むごく普通の会社員なのだったのだが、そんな女性がいったい「どこ」で偽装犯罪のグループと接触したのか。
マッチングアプリである。
彼女がどこのマッチングアプリを使っていたのかは報道されていないのだが、今やこのマッチングアプリが「パパ活」という名の売春ビジネスや犯罪の温床になっていて、多くの社会問題を引き起こしている。
味藤愛莉はこのマッチングアプリの中で、あるひとつの文章を目にとめた。それが「毎月5万円差し上げます」というものであった。彼女はこれに関心を持ってメッセージを来ると、別のSNSに切り替えるように指示がきた。
彼女がそれに従うと、以下のようなメッセージが入ったのだった。
「外国人を日本で働かせるお手伝いです。戸籍が既婚に変わるだけで、最大5年間で300万円支払います」
戸籍が既婚に変わるというのは、要するに結婚するということである。しかし、本文では結婚という言葉を使っていないのは巧妙なところだ。
これを「外国人と結婚するだけで300万円」とか言うと、見知らぬ得体の知れない外国人と結婚生活をしなければならないのではないかと思って女性は臆する。さすがにそれは敷居が高い。
だから、「戸籍が既婚に変わるだけ」という言い方で、別に他には何もする必要はない、同居することもないし、もちろん性行為も必要ない、というニュアンスを出していたのである。