「境界知能」というのを聞いたことがあるだろうか? 最近、「境界知能」の人たちの存在がクローズアップされるようになってきている。
知能はIQで計られるのだが、IQ90〜109が平均値で、110以上はIQが高い人であり、IQ130以上の人は天才の領域に入る人でギフテッドと呼ばれている。逆にIQ70未満は知的障害とWHO(世界保健機関)は定めている。
誰でもIQが高ければ良いのにと願うと思うが、ほとんどの人はIQ90〜109が平均値に入っているはずだ。知的水準は人によってバラツキがある。だから人間は多種多様である。
ところで、境界知能というのは、IQ70~84の人を指す。普通よりも明らかに劣っているのだが、そうかと言って知的障害というほど悪くない。要するに普通に入れないし知的障害でもないので、グレーゾーンにいる人たちである。
こうした人たちは生きづらいはずだ。体力や筋力だけがモノを言う社会であればいいが、現代は超高度情報化社会であり知的能力が評価される社会なのである。当然、IQが低いと必然的に不利になってしまう。
身体は虚弱で体力もなく筋力もないが知的能力が高い人と、身体は壮健で体力も無尽蔵で筋力も相当あるが知的能力が低い人では、どうしても知的能力が高い人の方が成功しやすい時代なのだ。
こうした知能の良し悪しは学歴とキャリアに反映される。知的能力の高い人ほど、良い大学、良い会社に入る。知的能力の低い人ほど中卒だったり高校も底辺だったりして、その後の人生も底辺の仕事を転々とするような人生になりやすい。
これはあくまでも一般論であるが、知的能力が収入や社会的成功に大きな鍵を握っていることに賛成の人は多いのではないだろうか。私もそうした考え方に同意する。