コロナ禍はワクチン接種の拡大によって今後は収束していく見込みであり、数ヶ月後は今とはまったく違った光景になっているはずだ。
しかし、コロナの変異種が警戒されているので、ワクチン接種が高齢者だけでなく、10代から50代まであまねく広がらないと、風俗業界にしっかりと客が戻るのは秋以降になるのではないだろうか。
それまでは、推定30万人にものぼる風俗嬢は、「感染を怖がって客が来ない」という冬の時代を何とか耐え忍ぶ必要がある。
高いマンションや贅沢やホスト通いをしていた風俗嬢はとっくの前に破滅状態だが、普通に生きていた風俗嬢も収入が途絶えて回復しないのだから今までの生活が成り立たなくなってしまっている。
2年に渡って数十万人もの風俗嬢が極度の経済的危機に立たされている。しかし、私たちの身のまわりでは「風俗で客が取れない」と悩み苦しむ女性を見かけないはずだ。NGO団体でもない限り、知り合いの女性に「風俗で稼げない」と相談を受けることもない。
なぜなのかというと、そもそもそこで働く女性たちは「風俗で働いている」こと自体を自分の知っている人に公言しないからだ。公言どころか、むしろ働いていることを必死で隠す。
曲がりなりにも、表社会の人々にとって風俗は後ろめたい不品行な世界である。だから人はそれについて押し黙る。風俗業界で働く女性も、多くはまわりの人に自分が風俗嬢であることを「絶対に」隠し通して、いかにも普通の女性のように振る舞う。
風俗業界で働いているというのは……