この世で成功した人が老いていくと、死を恐れるようになる。死んでしまったら、せっかく自分が築き上げたこの世の成果が管理できなくなる。
使い切れない大金、巨大な権力、虚栄、研究、コレクション、愛する者たち。すべてから離れなければならない。
だから、成功した人であればあるほど焦燥感に駆られて不老不死の薬や若返りの方策がないのかを探し求めるようになる。
中国の始皇帝は不老不死の薬を探し求めて果たせずに水銀を不老不死の薬だと思って飲んで死んだ。北朝鮮の金日成も、金正日も、不老不死の研究や成果に狂っていたようだが、結局は死んでいった。
言うまでもないが、人間は早い遅いの違いはあっても、死んでしまうという点では誰もが平等だ。人類は医学を高度に発展させてきたが、いまだに不老不死の薬や手法は見付けていない。
伝説や神話が何を言っても、それは妄想であり、人は誰でも人生に終わりがある。私たちは誰でも死んでしまう。