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2020年11月8日。ミャンマーで行われた総選挙では、アウンサンスーチー率いる国民民主連盟(NLD)が議席の8割を占める圧倒的な勝利を収めた。
アウンサンスーチーはロヒンギャ族を「ミャンマー人ではない」という認識を持っており、少数民族に対する冷淡な態度をグローバル社会で批判されている。そのため、その影響力はミャンマーでも減退しているのではないかと噂されていた。
しかし、蓋を開けてみたらアウンサンスーチー率いる与党の圧勝だった。ミャンマー人はアウンサンスーチー氏を支持し、その認識を共有していたのだ。
ところが、である。この選挙に対して軍部と野党の連邦団結発展党(USDP)が「総選挙には不正があった」と抗議を行った。クーデターを臭わせて与党NLDを恫喝するようになった。USDPも軍が作った政党であり、実態は軍である。
NLDは軍と話し合いを持ったが、選挙結果を認めようとしない軍とは話し合いがずっと平行線を辿って妥協点が見つけられなかった。
そして、2021年2月1日。
軍はアウンサンスーチーを筆頭に与党NLDの指導者を根こそぎ拘束し、軟禁するという挙に出た。事実上のクーデターである。総司令官はミン・アウン・フライン氏である。
軍はクーデターを成功させると、ただちに国営放送を含むテレビ・ラジオ等のメディアを封鎖した。これによって国民が団結して大規模な抗議デモを引き起こさないように手を打った。
しかし、与党NLDはSNSを通じて軍に対抗するように国民に訴えかけた。これを受けて多くの国民がストリートに繰り出して、軍に対する抗議デモを行うようになった。国軍はこれを見てインターネットも遮断した。
その後、一時的に開放したのだが、2月6日にはインターネットによる大規模デモの計画が計画されていることに危惧して再びインターネットを遮断した。遅かった。以後、ミャンマーは大規模デモで大混乱に見舞われることになる。