人間が人間を殺すというのは、激しい良心の呵責や心理的葛藤を乗り越えなければならない。これは戦場で戦う兵士であっても同じことだ。
曲がりなりにも、ひとりの人間の人生を奪うのである。殺す相手にも家族がいて友人もいる。
彼は人間的魅力に溢れた人かもしれないし、本当は自分と友人になれたかもしれない。一緒に酒でも飲んで人生を語り合えるに値する人格者かもしれない。
そんな人の命を奪う。殺す。戦場でも無用な殺人はなるべくしたくないと普通の兵士は考えるし、それが人間としての最低限の良心であると信じられている。
しかし、アメリカではすでにこのような「殺人に対する心理的葛藤を消失させるプログラム」が兵士に訓練の中に組み込まれているのはよく知られている。
人を殺しても、何も感じないようにすることが可能になる。人間に本来備わっている殺人のタブーを「簡単に外す」方法は、すでに応用されて使われている。