2020年9月3日、大阪市の大阪市立我孫子南中学校の教師だった北條隆弘《ほうじょうたかひろ》という42歳の男と、矢上大助という44歳の男が逮捕されている。
北條隆弘は教師歴10年。とても教育熱心な教師で生徒からも慕われ、道徳の授業も受け持っている男だった。しかし、北條隆弘の生き方は道徳的どころか犯罪にまみれていた。
北條隆弘は同性愛者だったのだが、10年前に矢上大助と出会い系サイトで知り合って交際が続いていた。そして、いつしか2人でおびき寄せた男を昏睡レイプしていた。
仲間だった矢上大助と共に、「分かっているだけでも300名近くの男性に性的虐待を行っていた」のである。
SNSで「学校で使うスーツ姿の写真撮影に協力して欲しい。謝礼は1万円」と呼びかけて、20代の男性を呼び寄せ、実際に写真を撮ったりしていたのだが、その後に睡眠薬を混ぜた酒などを飲ませて意識不明にさせて矢上大助とふたりで男性を昏睡レイプしていたのだった。
報道されている当初は「80名近くの被害者」と言われていた。しかし、警察の調べで被害者はもっと多く「100名近く」と訂正された。しかし、本人たちの供述やスマートフォンなどに残されていた映像等の解析から、実際の被害者は300名近くということになった。
少し考えても分かるが、300名とは尋常ではない被害者数である。1ヶ月に1人を犠牲にするとしても、1年間で12名。そのペースであれば300名に到達するには25年かかる。
この2人が知り合ったのが10年前なので、仮に10年で300名を昏睡レイプしたのだとすると、それこそ1年間で30人、1月2人から3人のペースでレイプしなければ間に合わないほどの数だ。
もちろん、それは現実的ではない。2人は仕事を持っているし、犯罪を専業にしていたわけではない。では、どういうことだったのかというと、もっと前から昏睡レイプが行われていた、ということである。