◆「まともになれると思うな」と悪魔がささやく。牝肉を食わないハイエナは死ぬ

◆「まともになれると思うな」と悪魔がささやく。牝肉を食わないハイエナは死ぬ

2020年12月19日。バンコク近郊の海産物市場で、多数のミャンマー人労働者を中心にコロナの感染者が見つかったことを受けて、タイ当局は再び歓楽街をシャットダウンするように調査と指導を行っている。

これまで何とか中国発コロナウイルスを封じ込めていたタイだが、いよいよ第二波が止められなくなってきた。これによって年末に予定されていたイベントも続々と中止に追いやられることになり、タイ経済の復活も再び遠のくことになった。

そんなこともあって、タイの売春地帯は再び意気消沈の中にある。かろうじて息をしていたオープンバーやゴーゴーバーも、この数ヶ月でバタバタと潰れていくことになるのかもしれない。

コロナが落ち着けば、私もタイの売春地帯に戻りたいが、果たして戻れる売春地帯があるのか心配になってくる。

すでに私は売春地帯には長らく行っていない。本当はどうなろうと、どうでもいいはずだ。しかし、どんなに長く離れていても心はあの真夜中の世界から離れていないことに私は思わず気づくことになる。

売春地帯。Red Light District。自分の人生を狂わせた世界。

売春地帯は奇妙な場所だ。そこに長くいると食傷気味になって、もう早くこんな堕落した場所から卒業して、一刻も早くまともな生活に戻らなければと焦燥感に駆られるようになる。

しかし売春地帯から離れると、今度はあの狂騒と狂乱が再びフラッシュバックのように蘇ってきて、私の脳裏に居つく悪魔が耳元でこのように囁く。

「お前はまともな人間でないくせに、まともな人間になろうとしても無駄だ。あそこに戻れ……」

まだ体力のあった頃は、そんな声を聞くまでもなく東南アジアのアンダーグラウンドを放浪する人生を送っていたが、今はもう旅人をやめたので、その悪魔の声にじっと耐える。

しかし、想い出は止めることはできない。ぐるぐると女たちの顔が脳裏で巡る。

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