タイが軍事クーデターで軍政になったが、2014年5月29日、選挙の早期実施はないと断言した。
「タクシン派と反タクシン派の対立が解消されなければならない」と言うのが建前だが、軍部が王室派であることを考えると、「タクシン派が根絶できるまで選挙をしない」というのが本音であると言える。
2006年のクーデターの際、軍部はタクシン元首相を暗殺するつもりはなかった。だから、タクシンが外遊している時にクーデターを起こした。
しかし、その後のタイの大混乱を考えると、クーデターを起こす際は、問題の元凶であるタクシン首相を処刑しておくというのが正解だったのだ。
まさか、タクシンがここまで抵抗するとは思いもしなかったのだろう。その誤算が、現在まで続くタイの混乱と苦境を生み出すことになった。
今後の展開はまったく誰にも読めない。ただひとつ分かるのは、この状態ではタイの経済成長は鈍化する可能性が高いということだ。