長引くコロナ禍が社会を荒廃させ、カルトを呼び込むのではないかと懸念する

長引くコロナ禍が社会を荒廃させ、カルトを呼び込むのではないかと懸念する

カルト教団を外部から見ると、なぜ子供騙しのようなものに引っかかる人間がいるのだろうか、と疑問に思う人もいるかもしれない。自らのカルトに引き込もうとする教祖のエネルギーを見くびったら駄目だ。圧倒的な自信と、信じられないほどの情熱と、激しい口調と、数々のパフォーマンスを行えば、目がくらむ人が出てくる。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

宗教を利用した「詐欺の一種」

今、コロナの感染拡大によって欧米や途上国が危機的な状況になっている。コロナ禍がいつ終わるのかまったく分からない状況だが、今年中に解決するというのは無理そうだ。

ワクチンの開発が遅れたり、ワクチンの効き目に問題があったりすると来年もどうなるのか分からないだろう。もしかしたらコロナの問題が本当に終わるのは数年を要するのかもしれない。

当然だが、長引けば長引くほど貧困層は増え続けていく。そうなれば、「政治は何をやっているのだ」と批判が渦巻いて政情不安も起これば、貧困による犯罪や暴力や自暴自棄によるアルコール依存なども増えて社会は乱れていき、対立や衝突も頻発し、殺伐とした光景が現れることになるのだろうか。

それはあたかも「終末」を思い起こさせる光景に見えるかもしれない。

すると、どうなるのか。私は社会情勢が悪化すればするほど「カルト」が社会の底辺でじわじわと生まれ、拡大していくのではないかと懸念している。人々が苦しんでいる時、心のよりどころとして宗教に頼る人も出てくる。

カルト教団は治世の乱れた終末的な光景の中で「終末論」を説きながら信者を獲得し、洗脳し、地獄に突き落としていくことになるだろう。言うまでもないが、カルト教団の目的は人々の「救済」ではない。「収奪」だ。

カルト教団の教祖は自分が預言者や救済者であることを宣言して、言葉巧みに信者を洗脳し、そして最後に自分の本当の目的を遂げる。大体のところ、隠されている目的はは「金を差し出せ」「身体を差し出せ」である。以下のパターンだ。

  • 世の中は終わる。預言されている。
  • しかし、私を信じれば助かる。
  • 助かりたければ、男は私に金を出せ。
  • 助かりたければ、女は肉体を私に出せ。

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宗教そのものが、一種の「思想詐欺」である

カルト教団とは宗教を利用した「詐欺集団」である。救済ではなく奪うことにベクトルが向いている。しかし「世の中の終わり」に関しては、言うのは簡単だがそれを信じさせるのは難しい。では、どうするのか。

すでにある権威を利用する。定番になっているのが、「ヨハネの黙示録」だとか「マヤ文明」だとか「ノストラダムス」である。

そして、それを元にして終末を語る教祖は、誰かに「お前は何者だ?」と問われた時に、こういうのだ。

「自分はキリストやアラーの生まれ変わりだ」
「自分は預言者である」
「自分は神と会って啓示を得た者だ」

こんなことを言っている人は、ほぼ100%は詐欺師であり、こういったものを信じている人はほぼ100%はカモであると断言してもいい。

「水を熱し続ければ100度で沸騰する」とか「資金繰りに窮した企業は近いうちに倒産する」といった確実性の高い推測と、「マヤの予言で地球は崩壊する」とか、「私を信じれば救われる」という抱腹絶倒な与太話を同じ次元で捉えてはならない。

宗教を利用した「終末論」は、そのほとんどが信者獲得のためのツールであり、洗脳に導くための詐欺でしかない。ノストラダムスが何を言おうが、カルト教団の教祖が何を言おうが、それらはすべてよく知られた「詐欺の手口」なのだ。

「終末論」は究極の宗教詐欺だ。自分が預言者だと吹聴して、「もうすぐ地獄が来る」「信じないと地獄に堕ちる」「助かるには私を信じなさい」と相手をそそのかして、相手に取り込む。

幸か不幸か、新約聖書の『ヨハネの黙示録』は、抱腹絶倒・荒唐無稽・恐怖描写のオンパレードだ。誰が読んでも、何が言いたいのかさっぱり意味が分からない。しかし、何か得体の知れないものであるのは分かる。

だから、逆にこれは詐欺師にとって利用価値のあるものになる。詐欺師はこれを勝手に解釈してあれこれ言うのだ。何を言っても、それが本当の解釈かどうか誰にも分からないから都合がいい。分からないから言いくるめることができる。

そうやって、ヨハネの黙示録は、終末詐欺に欠かせない「小道具」「ツール」となっていった。

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『終末論』は宗教が仕掛けたワナと化している

そもそも宗教というのは、どれもこれも見事なまでに嘘と荒唐無稽と都合の良い話で覆いつくされている。キリスト教やイスラム教やヒンドゥー教という世界の三大宗教は、すべて同じだ。宗教そのものが、一種の「思想詐欺」みたいなものなのだ。

それに輪をかけて「終末論」は詐欺の匂いがプンプンしている。「未来はこういう地獄が待っている。大勢が死ぬ。しかし、我が宗教を信じている者だけは助かる」と結びつける。

宗教というのは歴史が長いので、このように「信じないと救われない」と脅すものが実に莫大なバリエーションがあって、しかも狂信者も多いし、文献すらも用意されている。

相手を取り込むための荒唐無稽な作り話が次から次へと作り出されては、それが大真面目に広がっていく。何百回もそんなものを聞いていると、どうしても取り込まれてしまう。

そんなものには最初から関わらないほうがいい。関わらせることこそが詐欺のテクニックだからだ。

取り込まれ、関心を持ち、「ヨハネの黙示録の謎を論破しよう」と読み始めたら、そこから迷宮に引きずり込まれて、「答えを教えてあげよう」という詐欺師に釣られる。詐欺師が聖職者の格好をして現れる。

多くの解釈ができるものは、実は誰かにとって都合の良い解釈で誘導することができるということだ。読んで意味が分からないものは、分からせないために書いている。そして、分からせないために書かれた文章は大抵は「裏」がある。

『終末論』は、宗教が仕掛けたワナと化している。

最初はそうではなかったのかもしれないが、今はそのように機能している。だから、『終末論』というワナに絡み取られないように気を付けたほうがいい。それは恐怖と興味というエサであなたを釣っている。

彼らは終末思想の脅しで取り込み、好奇心で取り込み、やがて迷宮に誘い込んで抜けられなくしていく。

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 長引くコロナ禍がカルトを呼び込むのか?

カルト教団を外部から見ると、なぜ子供騙しのようなものに引っかかる人間がいるのだろうか、と疑問に思う人もいるかもしれない。

自らのカルトに引き込もうとする教祖のエネルギーを見くびったら駄目だ。圧倒的な自信と、信じられないほどの情熱と、激しい口調と、数々のパフォーマンスを行えば、目がくらむ人が出てくる。

雰囲気に飲まれる、という表現が一番しっくりくる。

「もしかしたらこの教祖は本当に救世主かも?」と心が逆転していく。世間知らずの若者が騙されることが多いのは、子供が親の言うことを心から信じるのと同じ心理状態だ。

たとえば、荘厳な建物、荘厳な衣装を着た人間が、傲慢なまでの態度で何かを主張すると、たったそれだけのことで騙される人間が出てくる。だから、ほとんどの宗教施設は荘厳で豪華絢爛なのだ。

こういった舞台装置を徹底的に利用して人々を騙すのがカルトのやり口で、とにかく非常に「演出」に凝る。「絶対感」を徹底的に醸し出す。しかし、口から出る言葉は胡散臭い。

カルト教団の信者は、その内容ではなく口調に騙されている。カルトの演出に、カリスマ的な態度に、見栄とはったりに、あるいは仕組まれた荘厳な建物や雰囲気に騙されている。

カルト教団の教祖は、情熱的な口ぶりで感情を揺さぶり、本当に涙を流して話しかけてくる。貧困や、病気や、人生の行き詰まりで、心の拠り所を失ってしまった人は、こうした「演出」に引き寄せられて信じてしまい、知らないうちに洗脳させられてしまう。

カルトがいかに信者を落とし込むのか、その洗脳の方法については、こちらに書いた。(ダークネス:これが洗脳(マインド・コントロール)で使われる手法だ!

世の中がどんどん悪化していった時、カルトは再び社会の底辺でうごめき始め、猛威を振るうことになる。長引くコロナ禍が社会を荒廃させ、カルトを呼び込むのではないかと私は懸念している。そうしたこともあって、とにかく一刻も早くコロナ禍が収束してくれるのを望んでいる。

映画『ミッドサマー 明るいことが恐ろしい(アリ・アスター)』

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