私は2020年の3月の段階で、中国発コロナウイルスは間違いなく「夜の世界」を直撃すると冷静に観察して、その時点から一切「夜の世界の住民」に会わないように決めた。そして、仕事に出るべきか辞めるべきかという選択で悩んでいる風俗嬢がコンタクトしてきたら、迷わずこう言った。
「仕事はすべきではない」
なぜなら、風俗の仕事は「超濃厚接触」であるのは間違いないし、市中感染が広がったら間違いなく風俗嬢も感染するのは誰が考えても分かりきった話だからだ。別に難しい話ではない。
いくら「手洗い」をしようが、イソジンでの「うがい」をしようが、そんなものは何の効果もない。仕事そのものが粘膜接触なのだから気休めだ。風俗は「飛沫」どころか「体液を交換する」のが仕事だ。これで、安全が確保されると思う方がどうかしている。
風俗店は苦肉の策として、女性の体温を写真で表示させて「熱が出ていないから大丈夫」みたいな施策を取っているが、当日に何人もの接客をして、その中のひとりが感染者であればどうするのか。
何をしても、風俗は安全が担保されない職業なのである。
「コロナの効果的な治療薬やワクチンができるまで」は仕事をすべきではないというのは、子供が考えても分かる話である。折しも4月には「もう」歌舞伎町のホストクラブから感染者が発生したという噂が流れていた。
なおさら、風俗嬢は安全のために働くべきではなかったのだ。しかし、そうは言っても彼女たちには彼女たちの事情があることも私は誰よりも知っている。