99%。この数字は、エジプトで女性が何らかの性的被害に遭った数だ。
2011年の「アラブの春」でエジプトでは独裁者ムバラク政権が瓦解して人々は高揚感に舞ったが、エジプトはそこから無法地帯のようになってしまった。
政治的混乱は経済悪化をもたらした。そして、経済悪化は治安の悪化を加速させた。エジプトの主要な産業はピラミッドを中心とした観光業だったので、治安の悪化によって観光客が激減すると、ますます人々は経済的な苦境に追い込まれた。
それが数年続いて、エジプトは今や失業者と貧困が蔓延する中東の失敗国家となってしまったのである。
そこで、何が起きたのか。エジプトでは2012年からタガが外れたかのように、街で公然たるセクハラが行われるようになっている。
女性が歩いているだけで、若い男たちの集団が群がってきて、女性を囲み、わいせつな言葉を投げ、無数の手が女性を触る。