まだ、タイの売春地帯パッポンに入り浸るような生活をしていた時、行き当たりばったりで一緒になった売春女性に何度かこのように言われた。
「どうして、普通の女の子と付き合わないの?」
今はどうなのか分からないが、当時のパッポンの売春女性たちは、よく堕ちた世界にいる自分たちと、昼間の世界にいる表側の世界の女性たちを分けて、自分たちを「悪い子」と自嘲していたものだった。
“Good Girl”(普通の女の子)
“Bad Girl”(堕ちた女)
“Good Girl”というのは、「良い女の子」という意味ではない。彼女たちが指していたのは、あくまでも売春ビジネスに堕ちていない「表社会の女の子」という意味である。
私はまだ若かったし、タイに数ヶ月もブラブラしている金もあった。その気になれば表社会の「普通の子」ともいくらでも付き合えると彼女たちは思っていた。