◆「このままでは40代頃にはホームレスになって死ぬ」と覚悟していた頃のこと

◆「このままでは40代頃にはホームレスになって死ぬ」と覚悟していた頃のこと

今年の8月。私は久しぶりにタイの首都バンコクに向かって、かつて自分が沈没していたあの東南アジアの喧噪にまみれてきた。

若い男たちを誘う女たちの嬌声。バーの奥から男が通るたびに大声を張り上げて引きずり込もうとする女たちの姿。檻に入れられている獣のようにストリートを行ったり来たりしているレディーボーイ。バスの停留所でひっそりと立つ素人の女。

そして、売春カフェ「テルメ」の満員電車のような混雑の中で、男たちに視線を送り続ける女たち……。

自分の人生を暗闇に引きずり込んだ売春地帯は今もなお健在で、多くの男たちをブラックホールのように吸い込んでいるのが見て取れた。

雨が降ってきて雨宿りのために座ったオープンバーでも、座った途端にひとりの若い女がやってきて「どこから来たの?」「名前は何て言うの?」と私に尋ね、ドリンクをねだった。

彼女は、自分がタイ人ではなくてラオス人であることを私に話し、それから3分もしないうちに彼女は知り合ったばかりの私に、このように誘うのだった。

「一緒にホテルに行きたいわ」

カネと快楽が交差する即物的で直接的な展開。お互いに相手が誰なのか知らず、刹那的に出会って刹那的に別れ、明日になればもう忘れられてしまうほど軽い時間。それを1000回も2000回も3000回も、もはや記憶することが不可能なほど、私は何度も反復した。

今はもう疲れ果てた。大人しくしていたい。しかし、久しぶりに売春地帯にいると、私は今もなおこの世界に未練や郷愁を持ち続けていることを知る。「やれやれ」と私は頭を抱えてしまう。

カネを全部失えば目が覚めたのかもしれないが、幸か不幸か仕事もしていないくせにカネを失わないで済むだけの分別と生活能力だけはあった。

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